2/23ページ目 ただ淡々と、坂を登る。 懐かしい記憶を、一歩ごとに噛みしめながら。 幼い頃、共に約束を刻んだ場所へと。 もしも、お前がまだ昔を持っているのなら、きっと。 きっと、ここへくるだろう。 白い建物が見えてくる。 もうすこし。あと、少し。 『もう少しだから!頑張れ!』 あぁ、なんて無邪気だったのだろう。 そして、なんて無知だったのだろう。 全てを知らないあの頃。 でも、だから、お前の傷も、俺には分かっていなかった。 『あの日』の後、お前は本当は、だんだんと崩れていたんだろう。 それが、分からなかった。 だって、笑っていたから。 だって、変わらなかったから。 いつもどおり 『統虎がいるから、大丈夫』だと、そう言って笑うから。 気付くべきだった。なのに、まったく気付かなかった。 それどころか俺は、あの後も同じように振る舞うお前を見て。 『お前は強いな。凄いよ』 そんなことを言ってしまったのだ。 あの時の笑顔が。 今ではとても、泣き出しそうな顔に見えるよ。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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