ごった煮倉庫

君が好き
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《君が好き・蠍編》


「どうしよう…。俺さ、お前の事、好きになったみたいだ。」

突然、そう告げられた言葉に、私は手にしていた紅茶のカップを取り落としそうになって慌てた。

午後のお茶の準備中に、フラリと給湯室に現れたミロ様。
そして、今の一言。

私はからかわれているのだと思い、ミロ様の方を振り返ると、告げた本人が一番驚いた表情をしていて。
その顔を見た瞬間に「あ、本気なんだ。」と理解していた。

「…で、どうすれば良いのですか?」
「は?」
「ですから、それを告げられた私は、どうすれば良いのですか?」

流れる沈黙。
ミロ様は、思った事を口にしただけで、告白した後、どうするか?という所までは考えてなかったらしい。
腕を組んで真剣に悩む彼の顔を見ていると、何だか心の中があったかくなってきた。

「じゃあ、お付き合いしてみますか、私達?」
「あぁ。そうだな…。うん、そうしようか!」

こうして私達は聖闘士と女官から、恋人同士に変わったのだった。


‐end‐


☆☆拍手ありがとうございます☆☆




《君が好き・水瓶編》


「貴女が好きだ…。」

突然、後ろから強く抱き締められた私の耳元に、そっと囁かれた言葉。
私は硬直した。

頬にはサラサラと揺れるカミュ様の赤く長い髪が触れて。
ずっとクールな方だと思っていたけど、本当はこの髪の色のように情熱的な人なんだと気付く。

私達二人以外、誰もいない資料室の片隅で、きつく私を抱き締めるカミュ様の身体は、心がざわめく程に熱くて。
その熱さにうっとりと溶けてしまいそうな感覚に陥る。

こんなカミュ様は、私以外、誰も知らない。
その瞬間、私の心も熱く燃え上がって。
強い腕の力が緩むと同時に、ゆっくりと振り返ると、カミュ様の赤い瞳を真っ直ぐに見つめた。

絡まり合う二つの視線。
小さな吐息。

「それで…、貴女の気持ちは…?」
「勿論、ずっとカミュ様のお傍に…。」

熱く見つめ合ったまま、そっと腕を回すと、引き寄せられるように唇が重なり合った。
淡い午後の甘いひと時。


‐end‐


★★拍手ありがとうございました★★




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