ごった煮倉庫

欲しい物は?
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《欲しい物は?射手編》


休日のショッピングモールで、アイオロスと久し振りのデート。

「アイオロス。ね、これ欲しい。」

そう言って私が指差したのは、白地にカラフルなストライプが鮮やかな可愛い傘。

「この前の強風で、傘が壊れちゃったの。ね、良いでしょ?」
「傘かぁ…。買って上げても良いけど、別の物じゃ駄目かい?」

いつも気前が良いアイオロスが、今日は何故か、妙に渋る。

「え、どうして?この傘、嫌い?」
「そうじゃなくて…。傘は必要ないだろ?」

必要ないなんて事はないよね?
私は意味が分からず、首を傾げてアイオロスを見た。

「雨が降ったら、俺が君を抱えて走れば、それで良いじゃないか。」
「それじゃあ、濡れちゃうわよ?」

いくら光速で走ったとしても、濡れる事には変わりないのに。

「濡れたら濡れたで、それも良いさ。シャワー室に直行して、俺が冷えた身体を温めて上げれるもんな。」

その端正な顔いっぱいに悪戯な笑顔を浮かべて、そんな台詞でも爽やかに告げるアイオロス。
私は顔を染めて、手を握るしか出来なかった。

「アイオロスったら、もう…。」


‐end‐


☆☆拍手ありがとうございます☆☆




《欲しい物は?蟹編》


休日のショッピングモールで、デッちゃんと楽しいデート。
私は二枚のワンピを、交互に当てて見せた。

「ね、デッちゃん。これとこれ、どっちが似合うと思う?」
「どっちも悪かねぇが…。どうせなら、もっと露出の激しいのにしろや。こう、俺様好みのよ。」

ニヤリと笑って、からかい半分に告げてくる。

「はいはい、分かりましたよー。」

いつもの冗談と分かっているので、適当に返事をして受け流す私。

「おい、コラ。サラッと流してンじゃねぇぞ、オイ。」
「だって、実際に露出の凄い服着たら、デッちゃんってば怒るもん。」

俺以外の男の視線に、大事な肌を晒すな!とか言ってさ。

「ぐ…。」

返す言葉に詰まる彼。
悪い目付きを更に凄ませ、暫し考えた後、私の手から服を奪った。
しかも、それ以外にも数着の服を引っ掴んで、そのままレジへ。

「デッちゃん?!」
「あれもこれも、お前の欲しそうなのは、全部買ってやる。その代わり、分かってンな?」

振り返り見つめる視線は、紅く熱く情熱的。

分かってる。
今夜は寝かせて貰えないって事ね…。


‐end‐


★★拍手ありがとうございました★★



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