※年齢操作
※六年生



「えらく遅かったじゃないか。」

それは、忍務には不釣り合いな、月の綺麗な夜だった。
そんな不釣り合い且つ不都合な状況の中、難なく単独忍務を終えた俺はとにかく疲れていた。早く部屋に戻って寝よう、風呂は明日で良いやなどと呑気に考えていた俺の思考を遮断したそいつはなんとも意地悪げな笑みを浮かべていた

「…ただいま。まだ起きてたのかよ。」
「団蔵の事待ってた。」

そう言って兵太夫は立ち上がって縁側から退き、俺に近付いて来たかと思えばそっと首に腕を回し抱き付いてきた。…ああ、これは兵太夫の悪い癖の前触れだ、と俺は瞬時に悟る。

「……俺、疲れてるんだけど。」
「発情期の犬みたいに性欲は有り余ってるんだから平気でしょ?」

不敵に笑ったこいつはそう言って俺に口付けてきた。この顔を見る度に、俺は何時ぞやの元作法委員長を思い出す。潮江先輩も、こんな気持ちになっていたのだろうか
いや、この悪い癖が、あの完璧主義で潔癖な元作法委員長にあったはずがない。あくまで印象の話だし、俺はこいつ程その先輩を知っているわけでも親しかったわけでもないのだが。

何度も何度も口付けを繰り返す兵太夫に、ついに俺は折れ、ぎゅうっと華奢なこいつの体を抱き締めた。
そう、悪い癖などと言ってはいるが、それが俺にとって損な事であるとはこれっぽっちも思っちゃいないのである。









「んっ…!団蔵、口淫下手過ぎ」

俺の手によって衣服を剥がれ、おまけに自身まで銜えられ好きな様にされているというのに、この男は気丈な態度を崩さない。もちろんそんなこいつも大好きなわけだが、俺だってたまには意地悪をしたくなる。優しくねぶる様に口淫を繰り返していたが、じっと兵太夫を見つめながら歯を立ててやった。すると一層甲高い声を上げてびくんっと大きく跳ね器用に俺の脇腹に蹴りをお見舞いしてきた。さすがの俺も噎せた。

「げほぉっ…!?な、なにも蹴らなくても…」
「黙れ馬鹿旦那、今度やったら殺すからな。」

先程の自分が上げた声がよほど恥ずかしかったのか、若干顔が赤い
そんな顔で言われても身の危険など毛ほどにも感じない。面と向かっては言わないけど。そこまで俺も命知らずではない。

「悪かったって、機嫌直してよ兵ちゃん。」

へらりと笑いつつ自身から口を離し兵太夫の首に顔を埋めた。もちろん自身の愛撫が終わったわけではない、スッと自身を手に収めそのままゆっくりと扱いてやる。するとすぐに甘い声が俺の耳元で響く。

「んっ、あっだんぞ、」
「兵ちゃんのやらしい声、俺大好き。」
「黙、れ変態っ、やうん…ッ」

時に早く、時にもどかしい程ゆっくりと。俺の愛撫に限界が近いのか兵太夫の腰の浮き沈みが激しい
声も息も艶っぽくなってきた、もうそろそろだ。

俺は自身から手を離し兵太夫の足を大きく開いた。なんでだとかまだ早いとかごねる事なく、兵太夫は口元に手を当てながら顔を逸らす。どうせ意味などないのに俺が挿れる時、兵太夫は必ずこうする
小さな抵抗すら愛しく見えてしまうのだから、俺は相当こいつにほだされている。

袴を脱ぎ褌も取りさらい既に硬くなったそれを兵太夫の蕾に押し当てる。俺は気分がすこぶる良かったので(スる時は何時だって上機嫌だけど)兵太夫をこちらに向かせその額に自分の額を合わせた。

「兵ちゃん、すっげえ好き。」
「……当然。」


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